旦那様は社長 *②巻*
「悠河だって、実の母親ではなく、幼少期の面倒は全て代わりの人間が見てきたんじゃ」
「えっ?」
慌てて隣に顔を向けると、そこには捨てられた猫のように…輝きを失った社長の瞳があった。
「社長……」
社長はフッと小さく笑った。
ーー眉をハの字に下げながら。
そうか……
だから社長は両親の話をする時、いつも寂しそうな顔して…
わざと話題をそらしていたんだ。
社長はきっと
寂しかったはず。
だったら尚更……
「私は自分の子供は自分で育てます。誰か他人の力は借りません。子供は実の親に育てられるのが一番幸せなんです」
あたしは自分の子供に、社長と同じような悲しい瞳をさせたくない。
社長と2人で、愛情一杯注いで成長を見守っていきたい。
社長だって……
あたしと同じ気持ちでしょう?
「社長……」
あなたの意見を
聞かせて?