鬼の花嫁
「あの・・・・・何か用?」
「あ。あぁ、そうそう!今度のお祭りの灯篭流し一緒にやらないか?」
あぁ、その話か。
「う~ん・・・。いいよ。」
「ほんとっ!?やったぁあ!!」
どーせ佐久助殿とはできないし・・・
「よかったね兄ちゃん。」
「あぁ!」
嬉しそうに答えるこの人に
若干心が痛んだが気付かないふり。
灯篭流しとはこの村の伝統で灯篭に
厄を流してもらうというものだ。
祭りはあさって
なんだかんだいって楽しみと
いっては楽しみなんだけどね。
でも・・・
やっぱり佐久助殿といきたかった・・・
「じゃぁ、あさっての夕方美鈴ちゃんの家に行くから!」
「わかった。まってるね。」
「ばいばーい!」
「ばいばーい・・・」
はぁ。
日が暮れてきた。
家に帰ろう・・・。