鬼の花嫁


「俺が9つのとき似たようなことが起こったよな。」

佐久助の祖父、三武郎が
真剣な面持ちで言った。

「うむ。」

「今年、あれと同じことが起こる。」

「・・・根拠は?」

「隣村の占い師が言っていた。」

「亜未子様か?!」

「あぁ。大規模な飢饉が起こるらしい。」

「…まことか?」

「あぁ。」

「うむ・・・。またあの頃のように死者が 出るのだろうか・・・」

「おそらく。」

「どうしたものか・・・・」

「長老。そこでだ、白洞山の鬼に雨を降ら よう頼むのはどうだ?」

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