鬼の花嫁


翌朝


今日もすがすがしい青空
輝く太陽に白い雲

普通なら喜ばしい天気だが
今の村にとっては陰鬱なものだった。


「はぁ〜、佐久助殿の踊り…」

「効かなかったなぁ〜〜〜〜」

「わぁっ!!」

「よっ!また暗い顔して〜!!
お前は笑った顔のほうがかわいいぞ!」

「なっ…………かっ…からかわないでくださぃっっ!!」

はっはっはっと、朗らかに笑う佐久助殿。

「かわいい」だなんて………
嬉しいけど…なんか複雑な心境

「お前ってすぐ赤くなるんだなっ!
照れ屋だなぁ〜♪」

「さっ佐久助殿が悪いんですっ!!」

「そう怒るなってぇ〜」

もぉ。

「そういえばよ、昨日の夜村長会議開かれたらしいぜ」

「村長会議?」

「ああ。ゥチのジジイがでてさぁ。
夜遅くに酔っ払って帰ってきたんだよ。
で、上機嫌だったかしらねーがべらべら会議の内容話始めたんだよ」

いつものへらへらした感じではなく
真剣な面持ちだった。

「大飢饉になる前に『鬼頼み』すりゃぁ万事丸く収まるってんで大笑いしてた」


「『鬼頼み』…?」

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