鬼の花嫁
日はとっくに暮れ、空に星が瞬いている。
美鈴は暑さのせいか体調を崩した村人の手伝いをし、帰る途中だった。
今日も佐久助殿とお話できてよかった
などと浸りながら村長の家を横切った
その時
「お菊殿をか!?」
村長の?…違う
誰か年寄りの驚いた声が聞こえた
気になって私は思わず立ち止まった
ぼそぼそと聞こえてくる低い声
聞き取りにくい…
「お菊か梅子だろうな」
何の話だろう?お菊殿と梅子殿?…
そうかんがえてはっとした
2人は村で1、2を争う美人だった
ということは………………
「くっくっく………鬼の好みはわからぬ」
やっぱり!!
『鬼頼み』の話しだ!
気付かれないよう窓の
できるだけそばにこっそり寄った