俺様執事に全てを奪われて
本当に妊娠してしまったのだろうか?

「乙葉、どうした?
眠いなら、寝ていていいぞ」

運転している元が、声をかけてきた

わたしは助手席でコクンと頷くと、窓の外を見る

高速に乗っているから、外の景色はよくわからない

「なあ、どこに行くんだ?」

「有栖川の別荘だそうだ」

「え?」

「近くに海があって、バーベキューする広場もあるとか?
滝沢さんも行ったことがないから、そこに決まった
…てもう入籍をしたから、愛子さんと呼ぶべきなのか?」

「呼び方なんてなんだっていいだろ
いつ決めたんだ?」

「乙葉が着替えている間に、有栖川に電話をした
有栖川も、聖子様から電話があったらしくて、俺のところに連絡しようとしていたと言っていた」

「ふうん
いつの間に、仲良くなったんだ?」

「別に、仲が良いわけじゃないが…」

仲がいいだろ?

なんで有栖川の連絡先を知ってるんだよ

わたしは知らないぞ?

そろそろか…

聖子にすべてを話すのが

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