俺様執事に全てを奪われて
夏休み最後の日、わたしは聖子と一緒に産婦人科に行く

…てその前に生理が来れば行かないが…

生理が来なければ、病院に行くと聖子が言っていた

予定日を1日過ぎて、思うのは…いつもある生理前の症状が全くないことだ

頭痛やイライラ…そういったものがない

ただただ眠い

これってまずいんじゃないのか?

元に迷惑をかけてしまうのではないのか?

そればかり考えてしまう

『俺の子か』

ぼそっと呟いた元の声を思い出す

どう思って口にしたのだろう

わたしは大きな口を開けて、あくびをした

「寝てていいって言ってるだろ」

「あ、うん」

わたしは重たい瞼を開けたまま、前を走っている有栖川の車を眺めた

「あ…水着…」

「メイドが入れていた」

「あ…そう
元も泳ぐのか?」

「俺は…いい」

「水着、持ってきてないのか?」

「持ってきたが、泳ぐつもりはねえよ」

なんだ…つまらない

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