俺様執事に全てを奪われて
わたしは有栖川と、聖子の部屋に通された

「今日は重大なお知らせがありまして」

わたしが聖子に頭を下げた

「あら、何かしら?」

聖子が扇子で口もとを隠しながら、含み笑いをする

使用人が緑茶をいれて、わたしと有栖川の前に置いてくれる

「堅苦しいお話の前に、お茶でもお飲みになって
喉を潤したほうが、話しやすくってよ」

「ありがとうございます」

わたしはお椀に手をのばすと、お茶を飲んだ

「実は…生理が来ないので…聖一郎に相談をしまして…」

わたしは下を向いた

「あら、そう!
喜ばしいことじゃない」

「僕と一緒に昨日、病院に行ってきました」

「で? 結果は?」

わたしは顔をあげる

「妊娠は……してませんでした」

「え?」

聖子が怖い顔になった

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