クール王子
誤解



「なっ!・・・なにそれーーー!!!!」


ここ、ソート王国の城にひときわ大きな怒鳴り声が響いた。

声の主は城に住まう姫様、セシル様だ。


「せっかく・・・せっかく朝早くからレジスのために頑張って作ったのに・・・それを食べずに出て行くって?!」

セシルは悪びれた様子も無く目の前に居る男を睨んで言う。

「だから・・・仕方ないだろ?仕事なんだ。」


「でも昨日言ったじゃない!セシルの作る手料理が食べたいって!」


「別に今日食べたいとは言ってない・・・。」



「・・・ッ」

その言葉に反応できずに困っていると部屋の扉が勢いよく開いた。



バンッッ!!!


「姫様?!!何事です?!!」


数人の使用人がセシルの怒鳴り声を聞いて何事かと、とんで来たのだ。


「それじゃあ後を任せた。」

セシルを怒らせた張本人であるレジスは使用人の肩をポンと叩くと扉を通って足早に行ってしまった。









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