クール王子



残された使用人たちはしょぼんと一人立ち尽くすセシルを心配げに見つめた。


「タスク・・・」

「は、はい?」

セシルに突然呼ばれた一人の使用人は慌てて返事を返した。


「中庭へ行きたい」



その言葉を聞いた後すぐにタスクはセシルとともにバラが一面に咲く中庭へ来ていた。


「ね?!ひどいでしょ?!」

セシルの何度目かと思うほど聞いた言葉を耳にしながらタスクは苦笑いをした。
ここへくる途中さっきの怒鳴り声の原因となるレジスの態度をセシルに聞かされていたのだ。


「大体、レジスは冷たすぎるわ。」

「そうですか?」

「そうよ!いつもクールにきめちゃってさ、」




< 2 / 19 >

この作品をシェア

pagetop