Othello―ｵｾﾛｹﾞｰﾑ―Game

「アタシの父、刑事なんです。だからかな？事件とか探偵とかの情報が豊富で…。」

あ…だから探偵なんてマニアックなヤツのファンなんだな…。

若松は手で顎をさすりながら、頷いてみた。

お得意の相づちである。

探偵たるもの、情報収集源が『人』である以上、相手が話しやすい環境を作るのは基本である。
若松は、それが人一倍上手い。

「そういえば…お嬢さん、俺のファンとか言ってたな。
…!!まさか…。君も“紅葉館”に行くのは…俺が行くのを知ってて!?」

…と、おふざけをしてみる。
「やっだな〜そんなワケないじゃないですか〜！
ホントは父が行く予定だったんですｹﾄﾞ、事件とかぶっちゃって…。でアタシが代わりに。」

ほぅら、食い付いた。女子高生タイプはある程度ならこれで話を聞き出せる。