◆悪魔様のお気に入り◆
 ズボンをあげてベルトをしめながら角を曲がると、廊下にしゃがんでる奴がいた。

 誰だコイツ?

 拓斗と同じような色素の薄いふわふわした髪をしている。

 両手で耳を塞いで目をぎゅっとつぶっていた。


 きっと俺らの行為を見てしまったんだろう。

「……え?」
 
 なんとなくイライラしてその女を蹴りあげる。

「……いっ!!?」

 痛そうな顔をして見上げてきたその顔が他の女と違って整っているのに少し驚いた。

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