◆悪魔様のお気に入り◆

「黙れ、名前よぶなっつったろ」
 次は男の声が聞こえてきた。

 どうしよう…、ここ通らなきゃあっちの校舎に行けないじゃん。
 
 私は混乱した頭を抱え込みそこにしゃがんだ。



「うぁあっ……、りんっ……!」

「うざ……、萎えた。 ヤる気失せたわ、どっか行け」
「ぇ……!? り、りん?」
「呼ぶな、きっしょい。はやくどっか行け」

 その低い声を聞いて女の方は怯えて急いで階段を下りて行った。


 お、終わった……? 耳を塞いでいた手を取り、目を開けてみると目の前が真っ暗だった。

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