恋するキモチ
「明梨?聞こえてる?」
「・・・」

ちょっと困ったような顔。

視界に入っても、わたしは徹平の方に顔を向けなかった。


「若林―。いいところに来た。おはよう。数学のノート見せて」
「あ?朝から徹平は…」

そんなわたしを見かねて、徹平は他のクラスの男子をつかまえに行った。



どうしよう。

どうしよう。


その日一日、
徹平がわたしに
話しかけてくれることは
…なかった。
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