恋するキモチ
「今日は、これじゃなくて、こっち」
そう言われて、差し出されたのは七瀬先生の弁当箱。

なんで?

「おなか壊してる人がコンビニじゃあ、心配でしょ」
「大丈夫ですって、いつも食ってるから」
俺は袋を取り返そうとして立ち上がる。

「走るんでしょ?」
厳しい七瀬先生の顔。
無言で頷く俺。

「じゃあ、コーチ命令」
「…」
俺のコンビニ弁当を持ち去った七瀬先生は、松先の隣へと歩いて行った。

「いいじゃん。食っとけって。そうそう七瀬の弁当なんて食えないしさ」
篤朗がニカニカ笑ってる。
ったく…。

でも、俺、これ食べたら、いよいよ勝負だし。
背に腹は返られぬ。
仕方なく七瀬先生の弁当を食べることにした。
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