聖花学園~花よ咲き誇れ~2
「反抗的な目だな?」

 そう言ってわたしの耳元に顔を寄せ、囁く。

「今すぐに部屋に押し入って、お前を犯してやってもいいんだぞ?」

 囁きながら、空いているもう片方の手でわたしの胸を触る。


 その瞬間、一時怒りに隠れてしまっていた恐怖が蘇った。




 呉羽先生の手が怖い。

 呉羽先生の声が怖い。

 呉羽先生の表情が怖い。


 その存在全てが怖かった。



 離れたくても、体は震えていうことを聞かない。

 叫びたくても、喉はひくつき声が出ない。


 唯一出来た抵抗といえば、僅かに首を横に振るだけだった。



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