聖花学園~花よ咲き誇れ~2
「ん? あれ、流依じゃねぇか?」

 保健室に近付くと、その近くに見覚えのある姿を見つけ優姫先輩が声を上げる。


 見ると、確かに流依だった。

 ……ジャージ姿の……。


「流依……どうしたの? 次体育なんじゃあ……」

 近付いてそう聞くと、流依は少し恥ずかしそうに答えた。


「いや……ああ。次、体育だから先に着替えてきた。……その……そうすれば先週のように追い返されなくて済むかと思ってな……」

 わたしはその回答に呆れてしまう。


 そりゃあ、確かに間違ってはいないだろうけど、そこまでしなくても……。


「流依……お前なぁ……。そこまでしなくても誰かがちゃんと小都子守るって」

 優姫先輩も呆れたみたいで、ため息混じりに言っていた。


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