聖花学園~花よ咲き誇れ~2
「姐御の散策ってのはなぁ!? 獣道を行くって事なんだよ!」


 獣道って……道がないのと変わりないじゃない。


「……それ、よく迷いませんでしたね?」

 わたしは玉ねぎを切るのをすっかり忘れて聞いた。


 すると優姫先輩は、ため息をつきながら頭を横に振る。

 “分かってないな”という感じのジャスチャー。


「もちろん迷ったに決まってるだろ?」

「……」


 うっわぁ……。

 お、お気の毒……。


「とにかく、そういうわけだから姐御は来なくて良かったんだ!」

 最後に優姫先輩は決め付ける様に言い切った。

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