聖花学園~花よ咲き誇れ~2
「ック……。小都子、お前口元にソースついてる」

「え!? どこ!?」


 口元にソースなんて、恥ずかしい所見られた~!


 恥ずかしくて顔を赤くしながら右頬を拭っていると、流依が手を伸ばしてきた。


「違う。こっちだ」

 そう言って、わたしの左頬の下のほうを指先で拭った。


 トクン……


 優しく、静かに鼓動が早くなる。



「よし、取れた」

 頬から手が離れ、流依は指先についたソースを舐め取った。


 ドキッ


 その瞬間、心臓が大きく跳ねる。
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