聖花学園~花よ咲き誇れ~2
 流依は、少し傷ついたような……申し訳ないような表情をしている。


 その表情に、胸がギュッと締め付けられた。



 わたしの知らぬ間にこんな所に連れ込んだ流依には少し腹立たしさも感じるけど、だからといってこんな風に傷つけたいわけじゃない。

 そんな辛そうな顔をさせたいわけじゃない。



「……悪い」

 わたしが謝ろうと口を開きかけると、流依が先に謝ってきた。


「お前がボーっとしているのを良いことに、こんな所に連れ込んだりして……すまなかった……」

 そう言った流依は、先ほどわたしに触れようとした手を拳にし、ゆっくりと自分の方へ引っ込める。



 わたしは謝るタイミングを逃し黙ってしまう。

 だからといって、流依の言葉に何て返せばいいのかも分からなかった。
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