聖花学園~花よ咲き誇れ~2
「私達は小都子さんの事務所の先輩として様子を見に行くんです。何かおかしいところでもありますか?」

「……ない、ですけど……」


 寿先輩の笑顔に丸め込まれるように、流依はそれ以上何も言わなかった。


「心配しなくても毎回行くわけじゃないからさ。最初の一回だけだって」

 流石に流依を哀れに思ったのか、翔子先輩がフォローするように話す。



「じゃあ、小都子……。初撮影の日にちが決まったら……ちゃんと、教えて?」

 わたしはまだ一言も『いいですよ』なんて言ってないのに、和子先輩はもう応援に来ることを決めてしまったようだ。

 きっと、他の先輩達もそう……。


 わたしは今更断れない状態に、「はい」と答えるしかなかった。



 ああ……。

 わたしの初撮影は、大所帯になりそうだなぁ……。



 そんな諦めモードになりながら、わたしは心の中で乾いた笑いをする。


 でも、ほんの少しだけ、皆が見守ってくれると心強いな、とも思っていた……。



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