聖花学園~花よ咲き誇れ~2
「もう競技も終わる頃だ。戻れ」

 自分専用のイスに座り、呉羽先生はそう指示した。


 その様子を見ると、少なくとも今はもう襲ってくるとは思えない。

 でも、わたしは警戒して少しずつ出口に向かった。



「ちょっと待て」

 ドアの前に着いてドアを開けて出ようとしたとき、呉羽先生がわたしを呼び止める。


「分かっていると思うが、例の画像をバラされたくなければ今のことを誰にも言うんじゃないぞ? それと、次から俺が呼び出したらすぐに来い。命令だ」

 傲慢な微笑みを湛(たた)えた呉羽先生はまるでどこぞの王様のようだった。


 わたしは怖くて悔しくて、顔を歪ませたまま無言で保健室を後にした。


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