聖花学園~花よ咲き誇れ~2
 でも、心から来る震えがそんなことで治まるわけがなく……。

 ついにはしゃがみ込んで、何かから身を守るように縮こまった。



「小都子!?」


 そのとき、聞き覚えのある声がわたしを呼んだ。

 頭だけを上げて声の主を見ると、翔子先輩だった。


「翔子……先輩?」

 近付いてくる翔子先輩に聞こえるか聞こえないかの声で呟く。



「どうしたんだい? 小都子だけ来るのが遅かったから、皆で探していたんだよ?」

「すみません……」

 上げた顔をまたうつむかせて謝るわたしに、翔子先輩は心配そうに声をかけた。


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