愛と青春と追憶の みどる。

「あの」「すみません」

「ナマズ大学特進爆裂壮絶クラスの」

「どてっぱらみどる親方です」

「どすこい」

 「○○先生はいますか。」

 女性教務担任。登場。

 「あら... どてみちゃん...」


受験直前の約一ヶ月、

自宅に一人こもって、

ひたすらに、

最終みどるをぶちこんでいたため、

久しぶりに会話をします。



「あっ」「おひさしぶりです」

「あの」

「さっき」「合格発表見てきました。」

「ナマズ学部」「合格しました。」



教務担任は、

とても元気に驚き喜んでくれました。

「わーー」

「よかったねーー」

「わーーー...」

「そっかーーー...」

「...」

「...」


教務担任は、

だんだんと、目にみどるを溜めて、


こう言いました。


「どてみちゃん...」

「ほんと、がんばったね...」

「どてみちゃんのことは...」

「ずっと心配して見ていたんだよ...」




「どてみちゃん...」


「いろいろあったしね...」



わたしは、はっとしました。

あっ、そうか、

教務担任も、

知っていたのか、と。



彼は全校トップの、有名人。



きっと、

教務室に頻繁に遊びに行くような、

そんな生徒のうちの誰かが、

わたしと彼のことを、

教務担任に、話していたんだなと、


そのとき、初めて、気づきました。




教務担任の顔を見ると、

私も、息が苦しくなってしまって、

声がつまってしまいました。



わたしの、そんな様子を見て、

みどるもろい、教務担任は、

目からみどるを、流しました。



そして、

教務室にいる、

他の教員の目もはばかることなく、

教務担任は、

自分のみどるを、手でぬぐいました。




これが、

この教務担任と、

この予備校との、




最後の、お別れでした。
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