愛と青春と追憶の みどる。
合格祝賀会の、数日後、

私は、

地元の女友達と二人きりで、

地元の川、

ナマズ川の川原で、

ひっそりと、

焚き火を、しました。



焚き火をした場所から、

川原を上がりきった、

その道路の向かい側には、

ナマズ先生のご自宅と塾が、

見えました。




私は、

地元のナマズ塾を離れ、

大都会の大手予備校に、

一人なぐりこみをかけて、

一年間の戦いを経て、

また、こうして、

一年ぶりに、

ナマズ先生のもとへと、

戻ってきたのだな、と、

一人、しずかに、思いました。
 



そして、

予備校時代の参考書を、

その川原で、燃やしました。



< 49 / 54 >

この作品をシェア

pagetop