獣闘記

まるで風景画を観ているような、そんな印象があった。



龍太は永遠に時間が止まっているかと思った。



と− 笑顔を浮かべたまま、突然、泰山が前に出た。

何の予備動作もなかった。



時間の隙間を動いてきた。二人の距離がなくなる。



一瞬、敏彦と交錯したように見えた。
しかし、気が付けば二人とも先程の間合いに戻っていた。


< 17 / 22 >

この作品をシェア

pagetop