sakura-君と出逢えて-



「……戸川さ、早苗にゆずの話を聞いたことある?」



和らいでいた岡田の顔が真剣になる。



「ううん。ていうか、学生時代の話は聞いたことない。嫌な思い出でもあるのかなぁ……」


「……そうか。早苗に無許可でこんな話をするのもなんだけど……」



岡田の思い出の詰まった卒業アルバムを手に取り、静かに口を開いた。



「早苗とゆずはさ、付き合ってたんだ……」


「え?」


「2年のときに同じクラスになって、3年に上がる前だったかな。二人は付き合い始めた。みんなが認める憧れの二人だったよ」



憧れの二人……その言葉に心が温まる。








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