硝子の靴 ~夜帝の紅い薔薇~少女A~
九階に着き
エレベーターの扉が開く。



エレベーターを降りると、


「いらっしゃ~ぃ♪」


女性の色っぽい声が聞こえてきた。


見えない姿を探す。



「あ…、

…綺麗な人…」



店の前で
笑顔で客と話すひとりの女性の姿に

思わず 日和は呟いた。


「ジュンナだよ」


「ジュンナ、さん?」


「うん。

あの店は、彼女に任せてる。
見た目だけじゃなく、
バーテンダーとしての腕前も一流だからね」


「そうなんだ…」


龍星は、
あんな綺麗な人たちに囲まれているのかと、

日和は、
改めて
龍星の"世界"を知った。


そして、

自分の"位置"を疑問に思う …


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