硝子の靴 ~夜帝の紅い薔薇~少女A~
扉を開けて、
微笑みながら日和を見る。


「どうぞ」

日和は、

ゆっくりと部屋の中へと入った。


初めて入る龍星の部屋を
ゆっくりと見渡す。


「何にもないだろう」

静かに見渡している日和を見ながら、

龍星は、そっと微笑んだ。


「ううん。

素敵な部屋…」



広い部屋の中に

モノトーンの家具



シンプルなその部屋の中を


日和は、


初めて見る
愛しい人の部屋だ…

と思いながら


静かに見渡していた。



ふと、


仕切りの陰に


真っ白なベッドが置いてあるのを
見つけた。

< 90 / 156 >

この作品をシェア

pagetop