正反対恋愛【完結】

一刻も早く教室を出たい。


その一心で。


でも、手に持っていたはずの包みが頭上から降りてきた手にパッと奪われた。


「え……?」


慌てて振り返ると、あたしの後ろには背の高い綺麗な顔をした金髪の男の子が立っていた。



「あの………」


遠慮がちに声を掛けると、男の子は潰れたチョコレートの包みをジロジロと眺めた後、ニコッと愛嬌のある笑顔を向けた。



「ありがとう。わざわざ作ってきてくれたんだ?」



「え……?」



わざわざ作ってきてくれたってどういう意味……?


あたしは翔太くんに渡すためにこのチョコを作ったんだよ……?




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