君のとなり。

「・・っ、4点差だってよ」

祐人がドリブルしながらニッと笑う。

「へぇ・・っ、キツいね・・!」

ディフェンスする英介と、体がぶつかり合った。


 ・・俺だって、負けられない・・っ!


「っ!!」

祐人のボールを、英介がガッと奪う。


くそ・・っ!やっぱ強い・・・!!


ゴールに向かって走る英介に、少し遅れて祐人も走り出す。

「・・っ入れさせねぇ・・!!」

ゴール前で、祐人が英介の前に立った。


━・・さァ、どうくる!
普通のレイアップなら止める・・!!


英介がボールを右手に持ち、レイアップシュートの形に入る。

 
      止める・・!!!

バッと英介の腕に触れないようボールへ手を伸ばす・・!
ボールに手が・・・

       「・・・!!」

━・・触れる、はずだった。


        パサッ!!


ボールはゴールへと入っていた。

「・・・2点差」

英介が笑う。祐人はギリっと歯を食いしばった。

今までさんざんフェイント使わなかったクセに・・ココでレイアップと混ぜやがった!!


「・・まじムカつくッスよ、
 キャプテン」

祐人がボールをドリブルしながらつぶやいた。

「・・・俺は、副キャプが強く
 なってて嬉しいよ??」
「・・・・・どーも」

祐人がニラむと、英介はそれをサッとかわし、人だかりを見て笑った。


    「・・お姫サマのご登場だ」


「あん??」


祐人が英介の目線を追い、見た所には。


       ・・・明日香・・


「・・・」
「!!」


祐人と目が合い、明日香はビクッとして目をそらした。

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