社長と恋



水族館に行く当日、朝からあたしは練習した化粧に格闘していた。
いつもはモノトーンの服だが、今日は淡いピンクの服にしてみた。


秋元さんが迎えに来てくれる時間の五分前になると、あたしは家の外に出た。
すると、何故か秋元さんがすでに立っていた。


「よぉ。」


あたしに気づくと、驚いたあたしを見てふ…と笑ってこちらに来た。


『な…なんでもういるの?』


「目覚めたからな。」


ヒョイ、とあたしのカバンを持って車にスタスタ歩いて行った。


< 157 / 371 >

この作品をシェア

pagetop