ゆるゆる恋愛事情
「おかーさんとか?」
「……高須くん」
「わぉ。いい感じなん?」
「……分かんないよ、そんなん」
私は席について、ピザを一口かじった。
うん、美味しい。
「でも、めっちゃケータイ鳴ってたし気にしてるんやないの?清水さんのこと」
「そんなこと無いよ、それにまだ私好きかどうかも分かんないし…」
本当に、分からない。
高須くんには悪いけど、メールもシカトしちゃったし…
「……ぼくはね」
「うん?」
「付き合って欲しくないなぁ」
どくん。
また、だ。
心臓が跳ねた。
悲しそうに目線をそらして、私と目線が交わると悲しそうに笑う。
何でそんな顔するの…?
「…応援するって、言ったじゃん」
「だって、保健室来なくなるやろ?」
「…は?」
「ぼく、暇になる〜」
「……」
な…んだ…
って、何ガッカリしてんだろ、私。
これが榊原勇気だよね、私がいちばんよく知ってます。
「なんつー自分勝手な教師ですかー」
「ふはっ、今さら何ゆーてんの〜」
げらげら笑いながらピザを頬張る勇気くんにはどうやら裏は無さそうだ。