続きは、社長室で。2
細胞が反応しているって…、どういうコト…――?
優しくてデキる上司さんで…、どこか掴みどころのナイ人となり。
そして拓海のよき理解者だとも、僅かなやり取りで感じたの…――
やって来た部長室は、社長室に似た造りながらシンプルで手狭な印象を受けた。
応接ソファに座るように促され、ギシッと革張りのソファに腰を下ろす私。
向かいに座って対峙する位置関係は、苦々しいアノ時を彷彿とさせるから。
“会わねばならない人物”を、否が応にも思い起こす・・・
「俺としても…、こんな時に会うのはやはり考えモノだと思うが・・・
先方にアポを取り付けたのは拓海だし、断われば東条の分が悪くなる。
蘭ちゃんも、その辺は分かるよね?」
「・・・はい」
言葉を止めて、ジッとこちらを見据える桜井さんにゆっくりと頷けば。
「同行したいのは山々だが、午後から外せない会議が入っているんだ。
元々は拓海が、1人で向かう算段だったからね・・・
相手が“相手”なだけに、他の秘書を手配する訳にもいかないし…。
…蘭ちゃん、大丈夫か――?」
「・・・っ」
桜井さんは苦しませないように、ワザと遠回しに尋ねてくれたというのに。
平常心でいるハズが、ゴクリと息を呑んで感情を抑えている私がいて。
後藤社長との再会が怖くて、逃げたいという本心が表れてしまった…。