お姫様と7人の王子様
流星群(チェシャ)
願い事が叶うなら
何でこんな事になっているんだろう。
買い物帰りに森の中、私は目の前の青年を見ながら、苦笑いをした。
「やぁ」
そうクスリと笑うのはチェシャ。
何故彼と私が一緒にいるのかというと、それは理由を言うなら、偶然だった。
目の前の彼はクスリと笑いながら運命だよなんて言いそうだが、そんな事あるわけない。
「偶然ですね」
「運命だよ」
ほらやっぱり、ニヤニヤと笑いながら言ってきた。
「本気にした?」
それから少し間を置いて、人を馬鹿にしたように続ける。
これはいつもの事。
「安心して下さい本気にしていないので」
そしてそんな彼に対して、軽く流すのもいつもの事。
私は彼が苦手だから。
何処がと言われればキリがないが、強いて一つあげるとしたら、何を考えているかわからない所。