お姫様と7人の王子様
「な、な、な……」
急に言われた台詞に驚き、彼の方向を見ると、無意識に手が出た。
だがその一撃は、彼が猫のようにするりとかわしたため、当たらなかった。
「危ないなぁ~ルーイーちゃん」
ニヤニヤしながら、言う彼、私はまだ頭の中が整理ついておらず、チェシャを見ることしか出来なかった。
「何を言っているの!」
そして、やっと言えた台詞は動揺しているのが分かるほど大声になった。
「動揺しちゃって……相変わらずあんたを見ていると面白いね」
その余裕たっぷりな表情が少しイラッとくる。
そして、そんな奴の台詞に不覚にもときめいてしまった自分にもイライラする。
「お星様。どうか、もうチェシャさんから絡まれませんように」
それが悔しくて、勢いよく未だ流れ続けている星達をみると、手と手を合わせて、小学生くらいの子が願うようにお願いした。
それからチェシャの方向を向いて、にやりと笑った。
私なりの仕返しだ。