夢の、現実
不思議な、街
合宿所の近くの街は、とにかく変だった。
招き猫の像に、入り組んだ街。まるで海外だ。

「…こんなに変なとこだっけ?」

流石に変だと思い、嶺くんに尋ねてみた。

彼は顔を僅かに引きつらせて

「街に言ったことがなかったから、何とも言えないが…。」

変だと顔にありありと書いてある。
正直な奴だ。

「とりあえず、街を回ってみようよ」

どうやら、東京と台湾を混ぜたような構造の街という結論になった。
人は沢山いるのだが、みんな個性的な服を着ているので制服である遥達が浮いてしまっている。

ふと、わき道を見ると靴探偵と書かれた看板があった。

「嶺くん、靴探偵ってなんだろ?」

そういって後ろを振り向くと、居た筈の嶺くんは忽然といなくなっていた。
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