夢の、現実
「嶺くん…?」

見渡してみるも、それらしき影は見当たらない。

もしかして、迷子かな?
そう思い、今まで回った道をもう一度辿り始めた。

人々をかき分け、わき道を覗き
招き猫の像の下を調べてみたが見つからない。

痺れたような足の痛みが、徐々に激しくなっている。

ふと足を見ると、はいていたはずの靴がなくなっていた。

「ど、どうして?!」

通りで痛い筈だ。
嶺くんを探しに行った道を、また辿る。
なんだかキツネに化かされてる気分。

そういえば、

「靴探偵…」

遥が嶺を見失ったところにあった探偵事務所なら、靴を見つけてくれるかもしれない。

遥は靴探偵の元へと歩いた。
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