夢の、現実
靴探偵の事務所の前に嶺がいた。

「嶺くん!探したよっ」

彼は安心したように、表情を緩めた。

「合流出来てよかった…。ところで、靴はどうしたんだ?」

驚いたように私の足元を指差す。

「いつの間にか、なくなっていたの。靴探偵ならなんとかなんないかなって」

「靴探偵は鍵を代償になくした靴を見つけ出す…」

嶺は真剣に何かを考え込んでいた。

「?何、それ。」

「街であった人が、そう言って鍵を二つくれたんだ。ひとつやるよ。」

そう言って赤と青の鍵の赤い鍵を私に渡して来た。

小さなアンティークのような赤い鍵。

「じゃあ、入ろう」
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