リカと私の藁人形
朋子にバケツいっぱいの泥水をかけるようにクラスの男子があたしに言ってきた。

あたしは、いやだと断ったが、男子が「じゃーお前にこの泥水かけるか。」と言ってきた。

あたしは無意識のうちに男子からバケツを受け取っていた。

あたしは呼吸を荒くしてみんなに囲まれて倒れこんでいる朋子の前にたった。

朋子はあたしの顔を見てにっこりとほほ笑んだ。

とてもあたしに笑う余裕なんてなかった。

あたしは、その時、朋子との保育園からの思い出を一つ一つ思い出していた。

朋子はかわいらしく笑ってあたしに聞いてきた。
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