リカと私の藁人形
小学校6年生の夏、ほんのささいなことで母さんがあたしのことを拒絶するようになった。

母さんは大抵のことを許す心の広い女性だった。

おかずがまずいといって残しても特に怒らずその分あたしが代わりに食べられる物を作ってくれた。

テストの点が悪くても、「もうー。次からちゃんとしなさい。」と、かるく注意するだけだった。

あたしは母さんがあたしに興味がないんじゃないかと思ったこともあった。

でも、あたしがおなかが痛いっていって病院に行った時泣きそうな顔であたしを見守っていてくれた。

だから、あたしに興味がないってことはないのねと思っていた。
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