捨て猫
今日は、先輩とお昼を食べる約束をしていた。
購買のある2階の生徒ホールは混み合っていたので、そこを抜けてテラスに出る。
澄み切った青空の下、広いテラスの100脚以上あるであろうテーブルと椅子の多くは、すでにたくさんの生徒で埋め尽くされていた。

「ここにしよっか」
空いている席を探すのも一苦労だけど、憧れだった先輩と今ここでこうして一緒にお昼ご飯を食べられるなんて夢のようで、そんなことは気にならなかった。

「腹減ったぁ~。オレ、4限が一番疲れた」
「それはあたしのセリフ!授業中、メールしてきたの先輩じゃんっ」
「それにずっと返信してきたのはお前だろ?」
そうですけど…。
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