すべては君のため。
どうやって帰ってきたか
分からないけど、
気づいたら自分の部屋だった。



「はぁ…」


ため息が出た。




少しすると


「コンコン」と窓を叩く音がした。


窓を叩く人なんて、
1人しかいない。



「よっ」


「律…」


できれば今は会いたくなかった…


「夏!今日さぁ〜美香ちゃんが…」


美香ちゃんって…安藤さんか…
もう名前を呼び合う仲なんだ?


「俺のこと律って呼んでいいか聞いてきてさぁ〜」



…え…?
律って呼んでいいのは
あたしだけだよね…?


そんな淡い期待は次の言葉で
砕け散った。



「いいよって言ったら、
すっげぇ喜んでくれて…」


もう止めてよ律…
泣きそうだよ…



「んで、俺と夏が付き合ってると思ってたみたいでさあ?
そんなわけないのにな?
俺と律は…」



…やだ…やだ…




「幼なじみでしかないのに」


「…うん…そうだね…っ」




…もういやだ。
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