すべては君のため。
そして教室についたので
中に入る。



すると、律と律の好きな子が
仲良く話していた。


正直、驚いた。


律はその子とは
話したことなんてないし
友達でもないと言っていたから。



自分の席につく。


「夏樹〜」


あたしが戻ったことに気づくと
和泉が近づいてきた。


「あれ…」


「あぁ…あんたが行ったあと
あの子…安藤さんが
葉山に勉強教えるって言ってこの状況。」


安藤さんって言うんだ…。


「ふぅん。」


「はぁ…だから言ったでしょ?
早く告れって…
安藤さん、頭いいのよ?
あんたほどじゃないけど…
テストは毎回10位以内に入ってるし。」


「ふぅん。」


「夏樹…」


和泉が心配そうにあたしを見る。


「大丈夫。」


大丈夫なはずないよ。
今すぐにでも逃げ出したい。


「…無理しないでよ?」


「うん。」




ありがとう和泉。

でもね?無理しなきゃ…
律のそばにはいられないんだ。




その日授業中あたしは
ずっとボーっとしていて、
授業の内容なんて覚えていなかった。
< 12 / 17 >

この作品をシェア

pagetop