Sin
「君に悪い意図がなかったのは分かる。ただ、今回の件は教員としてあってはいけない事だろう?」

不法侵入とも言える行動、感情に任せて父兄に暴力を振るった事。

許されると思うかい? と、学長は問う。

「結果が全てではないんだよ」

ジャックはただ頷くしかなかった。

「責任を取る意味でも、自主退学するように」

申し訳ありません、と頭を下げて唇を噛む。

「普段大人しいのに、突然感情的に行動するのは君の致命的な欠点だよ」

実習先の学校からも保護者達からも突き上げを喰らい、ジャックはひたすら謝り続けた。


僕は、間違っていたのだろうか。

助け出す方法は確かに間違っていたのかも知れない。かなり感情的な行動だった事も認める。

でも僕はただ、彼を早く助けたかっただけなんだ。少しでも、少しでも早く。

『……さよなら』

手遅れになって、ユーキのような悲しい結末にならないために。そう願う事は間違っているのだろうか。

『暴力教師』

退学し、夢を、目標を失った。原因は自分。分かってる。分かっているけれど辛かった。

アレクセイが無事保護施設に引き取られた事だけが、疲れ切ったジャックにとってせめてもの救いだった。


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