Sin
深い傷痕と涙の痛み
《Chapter 8
  深い傷痕と涙の痛み》



『……シン』


近づいてくる足音。


『シン』


腕を掴まれる。引きずられる。


『おいで。可愛いがってあげるから』


怯えているシンをベッドに引き上げる“オトウサン”。


服を脱がされる。抵抗すれば殴られる。


痣のあるシンの頬を撫で、“オトウサン”は気味の悪い笑顔を近づけた。


『そう怖がるな。優しく可愛いがってやるから』


―― タ ス ケ テ ――


悲痛な叫び声が響く。

ぐらぐらと揺れる頭の中にいろんな声がこだまする。


『薄汚い移民』
『死ねばいいのに』
『汚い子』
『あんたなんか要らない』



イラナイ

イラナイ イラナイ

イラナイ イラナイ イラナイ――


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