Sin
シンは飛び起きた。
心臓はバクバクと早く打ち、汗でびっしょり濡れた額や首に髪が張り付く。
また、だ。また、あの悪夢。
泣きたい訳じゃないのに涙が溢れて止まらなくなる。ジャックを起こさないため、シンは毛布を被って荒い呼吸の音を隠した。
どうして、今更思い出すんだ……?
ソファーの隅に縮こまり、泣きながら夜が明けるのを待つ。
「食欲が無いな」
ジャックは食事にほとんど手をつけないシンを心配そうに見遣った。
「具合悪いのか?」
「いいや」
シンは首を横に振る。
悪夢を毎日見るようになってから食べられなくなった。そう分かっていたけど、ジャックに話したくなかった。
『シンはいい子だろ?』
『毎晩遊んでやるからな』
『あの屋敷にいたんでしょう? 不潔な子ね』
繰り返し鳴り響く声。