Sin
……怖かった。

あの屋敷で“オモチャ”にされ、汚れている身体。汚い、不潔な自分。

その事をジャックに知られたくなかった。ジャックの反応が怖かった。

……嫌われる? 棄てられる?

考えただけで怖かった。

「熱は無いか?」

額に手を当てようとするジャックの腕を乱暴に払いのける。

「なんでもない、平気だから触んな」

寂しそうなジャックの表情にちくりと罪悪感を感じた。でも、怖い。話せない。

「病院で見てもらおう」

ジャックの提案にシンはく、と自嘲するように笑った。

「バカか、ジャック。俺の事診てくれる病院がこの国にあると思うか? 俺、そこまで頭悪くないぞ」

ジャックは黙ってシンを見つめる。

「不法移民は診れませんってさ。ガキの頃よく言われた。だから母さんがいつも看病してくれてた」


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