Sin
「シンは少しも汚くなんかない。これっぽっちも不潔なんかじゃない。汚れているのはお前を酷く扱った大人の方だ」

シンは瞬きした。灰色の瞳が不思議そうに何か問い掛けている。

「俺、汚れてるよ?」

それは事実だから、とシンは目を伏せて囁くように話す。震える背中をジャックは優しくさすった。

「力じゃ勝てなくて、毎晩オモチャにされてたから……。抵抗したら薄汚い移民のくせにって叩かれた。俺、この国で生まれたのに」

ぽろぽろと透明な涙が浅黒い頬を転がり落ちる。

「みんな、俺の事“移民”って呼ぶんだ。俺ずっとこの国にいるのに」

シンは叫ぶ。

「好きで母さんに棄てられたんじゃない! 好きで“オモチャ”になってたんじゃない! なのになんで……!!」

ジャックは声を殺して泣くシンを強く抱きしめた。


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