Sin
「せーんせーい!!」

門をくぐるなり女の子が駆けてきた。思わずシンはジャックの背後に隠れる。

「先生いらっしゃい! 日曜日も先生に会えるの嬉しくて、ミーミル昨日寝れなかったんだよ」

ジャックに飛びついた薄ピンクのワンピースを着た少女は心底嬉しそうに話す。

「おはよう、ミーミル。待ったかい?」

「先生の事ならいつまでも待つよぅ」

なんだジャック、モテモテじゃないか。相手は子どもだけど。

恐る恐る顔を覗かせたシンとミーミルの目が合った。

シンが目を反らす前にミーミルが、あ、と声を出す。

「シンくん!?」

でしょ? と、ジャックに尋ねる。頷くジャックにミーミルは後ろに向かって叫んだ。

「お兄ちゃん! シンくん来たよ!!」

緊張で固くなっているシンの肩をジャックは優しく叩く。

『大丈夫。ちゃんとそばにいるからな』

大丈夫。ジャックのその言葉を、シンは心の中で繰り返した。


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